タイト海外通信 「INTERZUM 2019」
1959年から2年に一度ドイツのケルンで開催されている世界最大級の国際家具インテリア産業見本市である「インターツム」は今年で60周年を迎えた。
2019年は5月21日~24日の4日間ケルンメッセで開催され、世界60ヶ国から1805社が出展し、世界152ヶ国からおおよそ74000人が来場した。
今回も当社の取引先が多く出展しているので、ミーティングと視察を兼ねての訪問となった。
● ALPI社(イタリア)
弊社の主要取引先であるイタリアの工芸(人工)突板メーカー。
毎年、ミラノサローネかインターツムに合わせて新作の発表があるが、今回は新デザイナーであるマルティノー・ガンペール氏が手掛けた「Gamperana Triplex design」の3パターンをメインに、チェリー柄・ウォールナット柄など計10柄が発表された。
ALPI社ブース
今回の目玉、Gampera Triplex design
(by Martino Gamper)
クリアー塗装済のBlush Cherry
無塗装の大板で見るとこんな感じ
クリアー塗装済のHoney Cherry2柄
クリアー塗装済のSienna Cherry2柄
柾目・板目・板柾のWalnut3柄
昨年発表されたアトリエ・メンディーニデザインのポインティリズム
展示方法は2年前とほぼ同様
木目柄が増えたのは嬉しいが、いつもよりもかなりおとなし目の新作発表であった。
● JGrabner社(オーストリア)
弊社プレイゲボード及びストラクターボードの仕入れ先である。
深いエンボスの古木パネル中心の展示であった。
今回、新たに「CHARISMA VENEER」という主に古木突板をフリースで裏打ちした製品を出していた。
CHARISMA VENEER
特に画像の様なブロック柄が面白い
● RoHol社(オーストリア)
弊社ラフベニヤ、クラックべニアなどの仕入れ先である。
JGrabner社同様であるが、突板にフリースを裏打ちした製品である「Fleece-It」を打ち出していた。
樹種はJGrabnerより豊富である。
サイズは1250x2800mm
1枚からでも輸入は可能です。
エンドグレイン突板を使用したテーブル
● Sonae Arauco社(ポルトガル)
弊社イノバスカラーMDFの仕入れ先である。
カラーMDFに関しては廃番も無ければ新色も無く、何も変化がない。
逆に言えば安定している製品である。
Innovusブランドのメラミン化粧板に関しては5つの仕上げと80の柄が増えていた。
木目もそうだが、石目柄が非常に多くなっていた。
ブースを訪れた限りでは、集客も多くまだまだ勢いのある会社と思われる。
SONAE ARAUCO社ブース
イノバスカラーMDF7色
3Dファイバーボード
● Homapal社(ドイツ)
弊社メタル化粧板の仕入れ先のひとつである。
親会社はFormica。
メタル化粧板の新作は柄もののみであった。
他にHomapal AQUARIS Spasystemという防水材を出していた。
ホマパル社ブース
メタル化粧板の新柄
Formica製品も展示していた
● ABET社(イタリア)
弊社取引先のひとつ。
HPL同様にコンパクトを強化している。
今回はカラフルな製品が多く感じた
アベット社ブース
● その他
弊社でも在庫販売を始めたメタル化粧板の使用例として
アルピの突板を使用した製品
ソットサスデザインの突板を中の仕切り板で使用
M&W社の突板
Interzum Awardも受賞している。
WOOD COUSTICSの有孔ボード。
非常に孔が小さく近づかないと気が付かない程度
Interzum Awardを受賞
孔が小さいので木目の方が目立つ
錆のエフェクトを加えた化粧板
エンボスのトレンドはまだまだ続きそう
今回一番の発見であったのが、天然木やALPI突板等を使用したディープエンボスのパネル。
ドイツで独自の方法でプレスをしているようで、エンボスも今まで見た中で一番深い。
驚いたのが木口部分もエンボスがあり、つなぎ目も綺麗に処理されていた
炭のイメージ
ALPI社10.43突板使用
こちらもアルピ突板
ALPI 10.43使用
アマーラエボニー柄の突板
ALPI10.42使用
木口の凸凹もきちんと処理されている
こちらもALPI突板を使用した天板
木口はプレスした後に手で処理しているようで、天板のみ展開可能だそうです。
インターツムの来場者層はバイヤー、建築家、オフィス設備業者、インテリアデザイナーなどが多く、
会場内は国境を越えた熱心な商談風景が随所でみられ、取引先の新規開拓には絶好の機会である。
各社共この展示会に合わせて色々と新製品を発表しているので、目新しいものを見つけるにも良い機会である。
展示会全体の印象としては、木目ではやはり引き続き節・割れの入った古木調のものが多かった。
また、ソリッド調ではなく、柄の入ったデザインが目立った。
但し、全体的に見ると木目柄よりも石目柄の比率が増えているように見受けられた。
また、中国企業の出展が多く、中国人の来場者の数も非常に増えている。
日本企業の出展が数社しかないのは非常にさみしい限りであった。
次回は2021年5月4日~7日まで開催される。
報告者:RF
2019/06/03