タイト海外通信「INTERZUM 2017」
5月16日~19日の4日間、ドイツ・ケルンで開催されたインターツム(以下Interzum)を視察した。
世界60カ国から1732社もの企業が参加している、文字通り世界最大規模の家具・内装材系展示会である。
期間中、総勢7万人近くが来場する。
2年振りのInterzumであるが、会場の広さは相変わらずである。
4日間フルに動き回ったが、それでも充分に見学が出来たかと言うと疑問は残るが、弊社の取引先が数多く出展しているので、その取引先を中心に新しい商品・トレンド等を掴む事が出来た。
●ALPI社(イタリア)
弊社の主要な取引先である。
今回は黒を基調としたベーシックなブース
黒のMDFで製作されたディスプレイ
落ち着いた雰囲気
150枚もの突板をパネルで展示
今回、新柄として以下の突板パネルが展示されていた。
新たなデザイナーとして隈研吾氏を起用
日本の神代杉やカイガンショウの樹皮をイメージしたデザインで斬新な突板を展示
また、The Campana Brothersが「SUSHI」というコンセプトで突板をデザインした新柄を発表
Piero Lissoni氏デザインの「Ikat」3モデル
Ikatとはマレー語で絣(かすり)織物のこと
新柄のブラッシュチェリー
新柄のウォールナット
こちらの3柄も今までになかったモデル
ソットサスのモデルも復活
従来のオーソドックスな木目柄は残しつつ、全体的にデザイン性を重視した斬新な突板が発表された。
●ROHOL社(オーストリア)
弊社製品ラフベニヤ、クラックベニヤの供給元である。
前回の様なギャラクシールームがある大掛かりなブースではなくなっていたが、面白そうな製品が数点あった。
自然の風化によって出来上がった表面の溝をブラッシングし汚れを取り除いただけでこのような風合いに
サイズは画像のもののみで大判での取り扱いはなし
曲げることの出来るプライウッド(FlexiPress basic and finish)
厚みは3-4.5mm
サイズは2500x1250mm, 2500x1830mm
●SONAE ARAUCO社(ポルトガル)
イノバスカラーMDFの輸入元
2年前は出展していなかったが、今回はInnovusブランドで大々的にブースを構えていた。
最近、ポルトガルのSONAE社とチリのARAUCO社が合併して会社名も「SONAE ARAUCO」となった。
ブース全面をカラーMDFのサンドグレー(新色)で製作
カラーMDFやメラミン化粧板を中心に展示
新製品の「3D MDF」
腰板などに使用したら面白そう
今後はカラーも増える予定
ホワイトボード兼マジックボードだが、単色ではなく木目のデザインが入っているので新しく感じる
●メラミン関係
・HOMAPAL社
特に目立って斬新な製品は無かったが、人工皮革を使った化粧板や不燃HPLを出展していた。
新しいカラーやエンボス
DEKODUR社、ABET社の出展は今回なかった。
●その他
弊社取引先ではないが、以下は今回目に付いた面白そうな製品である。
・L社(イタリアの突板メーカー)
・K社
籐(Rattan)の突板を使用して3Dにしたもの
突板自体にスリットは入っていない
・C社
エンドグレインの木口テープ
アルコンパクトの天板にエンドグレインのシート
・J社
今回一番興味を持ったのがここのディープエンボスボード
厚みは19.5mm、規格サイズは2980x1250mm
深さは3.5mmまで可能
・I社
2年前にもあったイミテーションの木目調不燃ボード
こちらも深いエンボスが特徴
・S社
各社同じような同調エンボスのメラミン化粧板は出しているが、この会社のものが一番深く綺麗
・B社
木で創られたモザイク柄
・R社
こちらも凸凹あり
突板化粧板もメラミン化粧板もエンボスをデザインとして取り入れた製品が増えていたのが印象的であった。
Gradaで出来そうなサングラススタンド
Gradaを利用して出来そうなドッグハウス
今年のInterzumの印象は突板化粧板もメラミン化粧板もエンボス(しかも深い)された製品が多く目に付いた。
色目的にはグレー系・ブラウン系が多く、ここ数年さほど変化はないように見受けられた。
また、クラックやスモーク等の突板を含めて古木系の化粧板を各社出展しており、トレンドは続くと思われる。
ちなみに帰りの空港で見かけたレストランでも古木を利用していた。
2年前の様な革新的な材料に出会うことは出来なかったが、各社この展示会に照準を合わせて新製品を出してくるので、相変わらず見逃せない2017 Interzumであった。
次回は2年後の2019年5月21日~24日に開催される。
報告者:R.F
2017/05/29